中間管理職の苦悩③

前回までの記事

苦悩① 管理職歴10年を見渡して、外部環境の変化が苦悩を深めていった

苦悩② 部下持ち管理職の当初は陰と陽・失敗と成功の紙一重

こうした内容を記述させていただきました。

性格的に、一人でできることはなんでもやってしまう特性がアダになってしまう面があり、周りに頼れない、いざ頼りたくとも小さなプライドが邪魔をする状況でした。

孤独の中、突破口は書店のマネジメント理論の勉強と実践で賄っていたのでした。

なぜ孤独に感じていたのか

運よく、ほぼ同じ時期に昇進した仲間が数人、その中でも1人は気軽に話せる間柄で業務運営も互いに質問しあったりと助け合うことがありました。

組織の形状にも影響され、支店を超えてのコミュニケーションは少しやりづらく、同支店内はずっと年上のベテラン管理職ばかり。1人気軽に話せる同期昇進も心強いものがありましたが、経験があり、信頼できる相談相手を作れなかったのが孤独に繋がったと思います。

加えて、当時の上司がパワハラで、ジャイアン✖️王様気質。そして、上司と信頼して報告するなどしても解釈を変えてさらに上、事業部長に報告するなど、情報の歪みが発覚したことから信用が難しいことが拍車をかけていたと思います。

ある時、Tくん(当時36歳・チームリーダー)は地域の最重要拠点施設攻略のために3年ほど担当していたものの、実績はなかなか上向きになれず、私と働くようになって1年だったことから、もう少し育成に時間をかけたいと上司に掛け合っていました。

ところが、1年1ヶ月が経った頃、突然電話にて、「Tにこれ以上担当させるのは荷が重い。担当を変える旨を伝えなさい」とのこと。

テリトリーの責任者は私であり、責任者の判断で上司に掛け合うのならともかく、上司の独断で指示されるとなるとラインがうまく機能していないと私は判断しました。しかし、この件、相談を誰かにしたところでどうすることもできない、と自分の中で処理しようとしたのです。

自分でなんとかしようとした結果・・

私の意思とは違った上司の意思の介入があったことをTくんには告げることが許されませんでした。つまり、私が担当を変える必要があると判断した、と告げなければならず、心底違和感を覚えた記憶があります。上司に意見はできなくはないですが、異を唱えた途端、上司は扱いにくい部下だ、と認識し、パワハラ被害を私自らも受ける覚悟が必要でした。

もはや、これは上司と部下との間での板挟み、です。

そして、こうした日常茶飯事の問題を相談できる部署がなく、相談したとしても非力で期待はずれ、という噂が頻繁に経っている部署への連絡などその時は全くする気力も湧かず。こうして、私は辛い気持ちを押し殺しながら、Tくんに担当交代を告げることになったのでした。

孤独を感じる要因

こちらは前述の中間管理職の実態アンケート調査結果の抜粋です。

先ほど例に挙げた内容は、とても残念ですが、調査結果の上位3つと重なっている事例だったように思います。

上司(支店長)は直接の部下は私たち課長職。その部下である営業職にはいい顔をしているように見せたい、その願望は常日頃から感じていました。だからこそ、自らは手を下さず、部下の課長にそれをさせる、という図式があり、メールなどエビデンスを残せれば社内警察(人事)に訴えることができるのですが、その辺りは上司も狡猾で、電話で、しかも突然の電話でしか伝えません。

中間管理職の苦悩は、こうした上司ガチャにも大きく影響を受けるものであり、ハズレを引いてしまえば、こうしたことが続くことになります。

メンタリティはいつ崩壊してもおかしくない

生まれてこの方、メンタルを病んだことは一度もありませんでした。

新卒で先輩数人から厳しく指導され、罵られて毎日のように嘔吐していた頃もありましたが、それでも、です。

しかし、上述のような逃げられない環境下で、信頼関係に時間をかけて大切にしている部下に対して、違和感のある、到底納得のいかない内容で評価を伝えるなどは、部下も、私もメンタルに望ましくない影響を与えることは想像していただけるのではないでしょうか。

まとめ

中間管理職の苦悩は、人に由来するものがほぼ全て、といっても過言ではないと思っています。特に、上司からの圧力、部下からの突き上げなど。

もちろん、責任あるポジションのため、評価されて任されているという自己肯定感を高くもつことができる役割でもあろうと思います。

ただ、中間管理職が万能であるわけでもない、そこは会社も注意深く理解をし、最大限のサポートを忘れてはいけないようにも感じています。

40代などミドルライフに達する方々はそうした管理職の役割を担うことも増えてくるでしょう。ですが、自分の身を護ることを前提に置いておかなければ、辛い思いをすることも多くある、そういう場面だと思います。

無理せず、秘匿を守れる信頼ある人物に相談できる体制を整えながら、難しいこの時期を乗り越えていきたいものですね。

Today is the first day of the rest of my life.

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