出会いの先に有田みかん

日本にはみかん生産者は数多く、和歌山、愛媛、静岡、熊本、長崎、この4県で国内シェアの7割を占めると言います。

福井県にも敦賀市に東浦みかんがあり、やや酸味がありますがコクもある、かつては最北限の温州みかんとされていました。

この記事では和歌山県のみかんについて触れます。

美味しいみかんの条件は

  • 温暖な気候で、年間平均気温が15度以上で冬に氷点下5度以下にならない
  • 日当たりがよい
  • 水はけがよい
  • 海が近く、昼夜の温度差が小さい

上記の条件をクリアするとすれば、暖流が流れる海域で、海にひらけた斜面や土の具合に左右されるでしょう。

私が和歌山に住んでいた30歳前後の頃、地元で大変よくしてくださったKさん。この方は普段は魚の卸をされていましたが、食通が高じて、全国から美味しい果物を取り寄せておられました。

そのKさん曰く、美味しいみかんが手に入る条件とは、潮風が当たる水はけの良い斜面のエリアで、和歌山なら有田の限られた地域だ、とおっしゃっていました。

美味しいみかん探しへ

当時、同じ和歌山県といえど、みかんの味は当たりはずれが大きく、ましてや、他県産のものでも同様でした。

同じお金をお支払いするなら、美味しいみかんを手に入れ続けたい、と思い、Kさんのヒントを頼りに、Google mapsで地形をチェックして有田のあたり一帯を車で周り続けたのです。

時間のあるかぎり、各集落で、10数軒か当たりましたが、これ、というものに巡り会わず、諦めて帰路についたとある集落のご自宅でお手洗いを借りた時、その事情をお話ししたところ、自分のところでもみかんを作っているとのこと。1つ試食させていただくと、それはもうとんでもなく糖度の高く、そして、外も内も皮や房が薄く、まるでみかん丸ごとのゼリーでも食べているかのような甘くも酸味の少ない素晴らしいみかんだったのです。

その農家さんにご相談させていただき、特別に直販していただけることに。

それからというもの、毎年12月4日になればご連絡をさせていただき、SSの5kgを送っていただいています。

もちろん、きっと、他にも素晴らしいみかん園もあって、私がただ知らないだけだと思います。

しかし、こちらの農園のみかんは別格に甘さ・酸味・旨味・皮の薄さのバランスが整っていて素晴らしいのです。

Kさんのヒントで宝探しをさせていただいた気がして、こうして偶然つながることができた農園の方とも長年おつきあいができて嬉しい限り。

まとめ

今や、デパート、高級食品マーケットなどで高くて美味しいみかんを手に入れることはできます。

しかし、自分の足でKさんのちょっとしたヒントを頼りに出会えたこのみかんは、価格はさながら、なにものにも代え難い価値を感じています。この12月の毎日を幸せに、そして、豊かな気持ちにさせてくれるみかんです。

豊かさは自分のちょっとした努力や頑張りの結果でももたらしてくれるもの。

農家さんとの直接のつながりも、理想的な味わいのみかんも、Kさんのちょっとした優しさも、いずれも豊かな気持ちにさせてくれている要因。このみかんを周りの人にお裾分けすることで、そのみなさんのちょっとした笑顔にも出会える。

人の心を豊かにしてくれるコト・モノ・ヒトなど、全ては出会いがなければ始まりませんね。

そうした出会いをこの先も生きている時間のあるかぎり、少しずつ充実させていけたらそれはまた楽しい人生ですね。

Today is the first day of the rest of my life.

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