かつての私含め、ストレスの極限で働く世の老若男女は、どのようにしてそのストレスからの解放を達成しているのだろう。
数年前、私は社長プレゼン2週間前にして、スライド含め分析すらもできていない中、忙しい毎日から準備の時間を捻出するのに苦労していました。
打開策にワーケーションというものをしてみよう、と思い立ったのですが、その場所が具体的に思いつかなかったところ、偶然、若狭熊川から大阪にイベントで来られていた宿業されている方に熊川の存在を教えていただきました。これは渡りに舟とばかりに即座に予約。無事、3日後には2泊3日の小旅行へと出かけることに成功したのです。
大阪駅から新快速敦賀行きへ乗り込み、近江今津駅までおよそ80分。
下車すれば小浜駅行きのJRバスが。連携がスムーズに取られており、そのまま熊川までバスに揺られて山の中へと進んでいきます。到着した先は、山々の中に道路と並行して川が流れ、バス道の国道から一本入ったところにパッと見ただけではわからなかった宿場町の町並みが残っていたのです。
日常とは一線を画すその場所は、ベンガラ色に塗られた切妻・平入の二階建て建造物と土蔵が並んでいます。その姿は往年の勢いを匂わせ、生活空間としても併存してきたことを感じさせます。
ここに来てみて、歩いてみると、古い町並みが残されている場所、という印象で終わることも多いのではないかと思いますが、前川という各家の前を流れる水量豊富な生活用の小川が流れ、そのさらさらという音色はこの宿場町にとてもマッチして特別な落ち着きを醸し出しています。加えて、おそらく、歩きながら何が見どころだろうと探してしまいがちですが、写真にある中ノ町という中央部に、立ち止まって佇んでみると意外と良かったりします。ほっと一息入れたい時には宿場町内の旧炭問屋の菱屋にあるSOL’s Coffee。塩パンやサンドイッチ、スコーンなど軽食もテイストが素晴らしく、ここで焙煎するその時々の素敵なコーヒーに出会い、その香りと旨みが特別な空間にやってきたことを知らせてくれるのです。
https://sols-coffee.com/pages/about
この街道の山手側には各家のお庭が広がっているのですが、時折カワセミがやってくるなど、自然との共存関係に常にいることを感じさせてくれるところもあり、思いがけない出会いも。
ここは文化庁指定の伝建地区。思わず日本遺産と聞いて身構え、何があるんだろう、素晴らしい特筆すべき建物があるんだろう、と期待に胸を膨らませて眺めてしまいますが、そんな勢いはうまくかわして、ご自身の感じるままの場所としてゆったり過ごしていただければと思います。
日々忙しく働き回っていると、どうしてもこうしたゆっくりした時間の流れとのギャップを感じ、目的意識をもってとか、何時までここに滞在して次はどこそこへとか、心の状態を反映して行動してしまいがち。私はかつてそのようなっていました😅そういったロックを解除して、宿場町にすっと入り込んでみてください。心が少し軽くなるような気がするかもしれません。
熊川にはちょっと立ち寄るだけでは見えず、感じ得ない、実は素敵な要素がたくさんあります。それは生活をしてみて日々の変化を見ればこそ、の部分もありますが、この地域の特性や生活の中で見出されてきた素晴らしい財産に、来訪されたお一人お一人に何かを感じ取っていただければと思っています。
余談ですが、社長プレゼンは無事まとまり、発表も成功しました♪
Today is the first day of the rest of my life.