昨年、今年は北海道でも揚がる報道が出るほど、あちらこちらで鰤が大漁だとのこと。
日本海では以前から、富山県氷見などの寒鰤が有名ですが、福井県もまた美浜日向港の寒鰤が知られています。
日向で揚がる寒鰤は11月下旬から1月にかけてが旬。
重さ8kg以上で丁寧に血抜き・神経締め・活け越をされた一手間をかけた寒鰤を「ひるが響」と称されます。
[活け越しとは]
大敷網で捕獲された鰤の中で、特に魚体の大きなものは直接網ですくい上げ、生かした状態で漁港に持ち帰ります。そして漁港内にある施設で一晩以上安静にして興奮状態を落ち着かせ、胃の中のものが消化し空っぽになることで、身に移る臭いを防ぐなど食材としてベストの状態になります。
[血抜きとは]
エラを切り血を抜くことにより生臭さを押さえます。また、身の透明感が増し食材の付加価値が高まります。
[神経抜きとは]
神経抜きには、主に死後硬直を遅らせて鮮度を保つ効果があります。 死後硬直が進行するよりも先に延髄及び中枢神経を破壊することで、ATPの自己消化が大幅に遅れ、 新鮮さが長持ちします。(以上、若狭美浜観光協会HPより)
今年は過去最高の漁獲量も地元に流れるのは一部?
先日、12月17日にはニュースにも出ていた寒鰤過去最高の漁獲量。
それも1万本と言います。昨シーズンも豊漁でありながら5万本で、今シーズンはすでに2万本を超えているとのこと。
漁師の皆さんはホクホク顔。地元で獲れただけに、地元スーパーで流通するかと期待しておりますが、、周辺スーパーの魚コーナーを見渡していても、日向で揚がったものではなく、香川などの鰤。
これら地元の魚は敦賀の魚問屋に卸されているようで、地元スーパーまでは届かないのでしょうか。これが悲しいところ。民宿や旅館、寿司、割烹などの専門店でこそ口にすることができるようで、庶民には大漁でも少し遠い世界に感じてしまいます。
12月・1月は寒鰤でぶりしゃぶを
とはいえ、昨年は地元寿司割烹の大将に頼んで、日向で揚がった寒鰤を特別に仕入れて捌いていただき、ぶりしゃぶ用に切り分けていただき、自宅で美味しく鍋にさせていただきました。
最近の日本海の海洋環境が暖かくなってきているようで、鰤が暖かい環境を好むことから鰤が増えているとの話。日本周辺の環境も変化し始めていて、鰤は増えたものの、代わりに減った資源もあるのでしょう。
美味しくぶりしゃぶを今年も楽しみたいと思いますが、手放しで喜べない生態系の変化もあり、ちょっと複雑な気持ちです。
とは言え、氷見だけではなく、福井の若狭湾でも寒鰤がとれ、しかも豊漁であれば、GI認定の越前かにとともに、寒鰤も食べに若狭へ足をはこぶきっかけにしていただけると嬉しいですね。
※ちなみに、ぶりしゃぶ発祥は宮津の天橋立にある料理旅館鳥喜さんだそうです。
Today is the first day of the rest of my life.