若狭の甘い庶民の味
福井県には大正〜昭和にかけて、京都に奉公に出た丁稚が正月に帰省する際に持ち帰ったという羊羹のことを丁稚羊羹(でっちようかん)と言うそうです。
とても控えめな甘さで、通常の羊羹のどっしりした口当たりに比べて、水分を多く含むせいか、まるでゼリーを食べるかのようにするっと喉を通っていきます。
また、こし餡のため、舌触りも良く、寒天や葛で固めていることもあり、甘さがいっそう爽やかに感じられる一品。
庶民の日常の味として親しまれる水羊かんで、福井県では寒い冬の風物詩になっています。とはいえ、道の駅などでは年中販売されているので、冷蔵技術と設備が発達したことから季節性を問うものでもなくなってきたのでしょうね。
当時は、どっしりした本来の羊羹が高級だったのでしょう、ご近所に配る際に数を稼ぐために水でのばして再成形したようです。水分が多いと傷みやすいので、それで冬、と言うのも納得です。
参考:農林水産省うちの郷土料理 でっち羊かん
若狭は、嶺北(福井市方面)の黒糖使用で水ようかんとは少し趣を変えて、白砂糖で仕立てています。私の好みは嶺南仕様。
多様なでっち羊かんの販売店
さすが冬の風物詩というだけあって、でっち羊かんはお土産店などでよく見かけます。スーパーマーケットですら販売しているケースもありますね。
正直、普通の羊羹は好みからだいぶ外れる(甘すぎてどっしりしているため)ので、若狭に住み始めて一度も手を出したことがなかったのですが、一度は食べておこうと手に取ってみました。
その第一号のお店が小浜市で長く菓子製造をされている志保重さんのもの。
直接店舗で購入させていただきました。
サイズ感が掴みにくいと思うのですが、↑の写真には5本入っていました。
1本あたり、カロリーメイト1本と同じぐらいの大きさです。
そして、この5本で500円!(店舗の特別価格??)
いざ、実食してみると、冒頭に記載させていただいたように、するっと喉を通り、舌触りも滑らか、甘さも大変控えめで上品。これまでの羊羹のイメージを大きく覆してくれるおいしさです。
日持ちは数日程度なので、長くはないですが、添加物が入っていないことの方が安心して食べることができます。これはお土産に持ち帰っても多くの人に喜ばれるのではないでしょうか。
若狭で手土産にしたいものは、伊勢屋さんの葛まんじゅうですが当日しか日持ちしないので、これからはこちらのものを持ち帰ってみてもいいなと思っています。
まとめ
若狭にお越しの際は私のような先入観を持たず、ぜひでっち羊かんを手に取ってみてください。お値段はそれぞれ異なると思いますので、お好みでお選びになられて・・と言いたいところですが、並べられるとどれがいいのかわかりませんよね。
まだ1店舗目なのでバイアスがありますが、志保重さんのはおすすめできますよ!
道の駅若狭おばまなどで、様々なお店のでっち羊かんが並んでいますので、一度お試しになってください♪
コーヒーにもとても合います!
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