20代の努力が成長ドライバーの30代
前回の記事「貪欲さはいいか悪いか1」で記載させていただきました20代の私。
没頭する仕事、家族からも仕事を最優先と言われ、家庭は妻まかせ。少し前の日本のよくあるサラリーマン家庭にも見えます。
20代の頑張りが効いて、30代は脂がのって仕事は順風満帆。大変ありがたいことに社内外の信頼も厚くなり、多くの方からの支持もいただく。給与はインセンティブも獲得しつつ、転職も良いタイミングを掴み、右肩上がりに推移していく。
私がいた業界は、給与水準が高めで有名であり、周辺の同僚も業界の雰囲気からか自然とお金の使い方に寛容。さらには、顧客にセレブも多く、話のネタも車の話から始まり、時計、靴、海外やラグジュアリーホテルなどの旅行先、美食グルメといった高級なものを嗜好する世界でした。
その世界で成果を残すためには、しっかりと顧客と対等に話せることも必要であり、特にラグジュアリーなもの、グルメに私も傾倒。仕事ではそれが生かされる機会も多かったのですが、お金は対価として出ていくため、仕事でまた結果を出していこうと思うサイクルが延々と続いていたのです。
欲望・欲求という欲サイクルが高回転していた時代でした。
うまくいっているように、今思えば「錯覚」していたように思います。
ふと立ち止まる瞬間
仕事は順調、お金が入っては使う、時間は仕事とその仕込みでほぼ使い切る、家庭は土日の一部の時間で父の顔と、30代前半はこの連続でした。
貪欲に、もっと成果を出すことに飽くなき執念を燃やしていたように思います。
平家物語の冒頭にもありますが、「諸行無常の響きあり(中略)盛者必衰の理を表す」と、まさにこれは真理では?と思う一節がありますね。
振り切った仕事偏重スタイルだったがために、振り切れ過ぎてしまい、本来もっと大切にすべき家庭を大切に育むという観点で、私はおざなりになっていました。
妻とする会話は気付けば味気なくなっていて、子供たちの成長とともに起こっている普段の学校や家庭での生活状況が浦島太郎のようになってしまい、自分が仕事を頑張れば家庭がうまくいく(妻から、夫は仕事をする、妻は家庭を切り盛りするから仕事をしてくださいと言われていました)と思い、猪突猛進で頑張ってきたのですが、本社マーケティング部に異動となり、新しい仕事とさらに忙しい毎日を送ることになって、徐々に時間の大切さを痛感するようになりました。
本来私が大切にしたいとずっと願っていたこと。それは家庭において、妻や子供たちを経済的に、実務的に、心理的に支え、笑顔が溢れるようにすることだったのですが、違う方向にいっていると仕事の異動を契機に気づくようになったのでした。
次回の記事に続く
Today is the first day of the rest of my life.
【アーカイブ】
【最近の記事】
[…] 貪欲さはいいか悪いか2 […]