豊かさのとらえ方

豊かさとは

私なりにとらえている「豊かさ」とは何か。

それは「吾唯だ足るを知る」が源流にあります。

私の母校は京都にあり、キャンパスの近くには竜安寺があります。

学生当時、キャンパスを抜け出しては、妙心寺や竜安寺に脱出して、ぼーっとしたり、考え事や本を読んだりする場所として、自分自身と向き合うための大切な環境でした。その竜安寺には、有名なつくばいがあり、共通する「口」を中心に置いて、「吾唯足知」と刻まれています。

蹲踞(つくばい)
日本庭園の添景物の一つで露地(茶庭)に設置される。茶室に入る前に、手を清めるために置かれた背の低い手水鉢に役石をおいて趣を加えたもの。

「欲に身を任せず、足るを知って満足を得ていられることが豊かさ」ととらえられていて、私自身もそのように理解をしています。とてもシンプル。

豊かさの捉え方はさまざま

それこそ、豊かさってなんだ?と友人に尋ねたとしても、その回答はさまざま。

・お腹いっぱい、あるいは、美味しいものを適度に食べたいときに食べる。

・大好きなゲームを制約されることなく楽しむことができる。

・家族との時間を充実させて家族みんなが笑顔である時間を持つ。

・たくさん稼いでお金に困らない生活を送る。

4人聞いて、4人とも答えは違っていました。

それぞれの豊かさがあって良いですよね。

だからこそ、自らの人生を全うするにあたって、その豊かさの中で生きることができれば、実りある人生になるのだと思います。

足るを知る

再び、足るを知る、です。

私は42歳まで、〜が欲しい、〜してほしい、〜を期待している、〜を手に入れたいという、貪欲さの塊のようなところがありました。

営業成績1位が欲しい、上司に自分の頑張りを理解してほしい、部下には期待通りに動いてもらいたい、ホテルビュッフェで優雅な朝食の時間を手に入れたい、といったような具合です。

ですが、その後の激動の人生第2幕がスタートしたことで、欲求と決別することにしたのでした。欲求がゼロというわけではありません。

マズローの欲求段階説がわかりやすいので、ご紹介させていただきます。

マズローの欲求段階説
「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化したものである。ただし、科学的に実証されたものではない。

出典:wikipedia

この欲求段階説は私自身、何度も見てきたのですが、勉強不足だったのは、これら5つの欲求全てを満たした「自己実現者」には、以下の15の特徴が見られる、ということ。

  1. 現実をより有効に知覚し、より快適な関係を保つ
  2. 自己、他者、自然に対する受容
  3. 自発性、素朴さ、自然さ
  4. 課題中心的
  5. プライバシーの欲求からの超越
  6. 文化と環境からの独立、能動的人間、自律性
  7. 認識が絶えず新鮮である
  8. 至高なものに触れる神秘的体験がある
  9. 共同社会感情
  10. 対人関係において心が広くて深い
  11. 民主主義的な性格構造
  12. 手段と目的、善悪の判断の区別
  13. 哲学的で悪意のないユーモアセンス
  14. 創造
  15. 文化に組み込まれることに対する抵抗、文化の超越

40歳を過ぎた頃に、”一旦”自己実現ができたことを実感し、次のステップを探していました。一旦、としたのは、私なりに、社会人20年やってみて、一定の成果が得られたと感じたためです。

まだまだ高みを目指すことも可能ですが、欲求には際限がなく、気づけば、15の特徴のうち、ボールドにした部分はなんとなく今の自分がそうあるのかなと感じ始めている特徴です。

特に、2、3、6、10は強く色が出始めている印象もあります。

同時に、足るを知るの認識が強くなっています。

豊かさのとらえ方

欲求を客観的に理解して、自分の足るを知るレベルの調整を続けていると、ささやかなことでも豊かだと感じ始めるようになりました。

豊かさを実感し始めると、心の持ちようも変わってきました。

次の記事では、そのあたりをご紹介できればと思います。

Today is the first day of the rest of my life.

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