花が開花する若狭町
春本番になってきました。
気温も朝晩は10度前後、日中は20度前後になり、冬を思えばかなり過ごしやすくなってきました。
日中を通して、鳥たちがお互いにコミュニケーションをとるかのようにさえずりを続け、暖かな空気とともに穏やかな気持ちを誘います。
3月末ごろから桜が、4月に入ればチューリップ、そして、4月中頃となればたんぽぽも綿毛をすでに準備し始めています。
新学年となった小学生は楽しそうに通学路を歩きながら、わいわいと寄り道もしつつ、道端の草花を眺めたりして彼らなりの春を感じ取っているようでした。



「音」が生まれる春
冬と春の違いは気候だけではありません。暖かくなると発生するものの一つが音。
田を耕すために機械をいれて、しばらく眠っていた広大な農用地をひたすらに掘り起こし、土を柔らかくして空気を含ませながら新たな生命を呼び覚ますように活動を始めます。
その時にはヴィーーン、ガガガ、と力強い音を発していますが、音が反射するような建物が立ち並んでいないためか、遠くで何か動かしているな、ぐらいのレベル。田舎のよさは、騒音レベルの音すらも、ストレスにならない程度に緩和されていくように思います。
先ほどのように、鳥のさえずりも踏まえ、牧歌的でのんびりした風情を生み出すのがこうした農業や自然とともにある町ならではでもあります。
春の農作業 コメと小麦
春のイメージはおそらく多くはコメを作る準備を想定されるのではないでしょうか。
若狭町では、コメを作る田んぼで、麦やそばを作り、二毛作を実施して収益を増やす農家さんも多数いらっしゃいます。
ちょうど4月半ばであると、コメのために耕耘する時期でもありますが、一方で、裏作にあたる小麦はいまがちょうど青々として実りを充実させているシーンでもあります。
春風に麦穂がなびき、黄緑の絨毯かのような風景が広がるのも美しさがあり、背景の山との緑のグラデーションが春をまた強く印象付けてくれます。あと1ヶ月ぐらいで黄色く収穫時期を待つ熟した穂が見えるのでしょうか。


田舎暮らしの落ち着くポイント
都会から田舎暮らしへシフトして、楽しみのひとつが季節の移ろい。
特に、こうした四季を感じられるシーンが日常として目や耳、鼻、肌へ刺激を送ってくれることは日々の生活に豊かさを加えてくれます。
都会住まいの時は、季節に応じて太陽の入射角度が変わることを感じられる程度で、鳥や花、農との距離は遠く、四季は気温やイベントなどから感じることが多かったように思います。
そういった意味では、対照的な表現となって恐縮ですが、都会は無機質なイロが鮮やかで、田舎は生命感多彩な色でシンプルに囲まれている、といった印象。
春の若狭町にはこうした生命感あふれる時間が流れています。
暮らすにも、旅するにも、季節を感じてゆっくりと変化する土地に身をおく体験があると生きている実感にもつながります。
もう少し時間が残された春の若狭を感じてもらえれば幸いです。
Today is the first day of the rest of my life.